こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です。
飲食店を経営していると、お客様からクレームをいただくことは避けられません。25年間、飲食業界で現場と経営を経験してきた私の経験からいうと、クレーム対応の良し悪しで店の評判が大きく変わります。
適切な対応ができないと、口コミサイトやSNSで店の悪評が広がり、売上に直結する深刻な問題になりかねません。特に最近はSNSの拡散力が強く、一度悪い評判が広がると取り返しがつかないことも。
でも実は、クレームって店を良くするための貴重な情報源なんですよね。お客様が「もっと良くなってほしい」という気持ちで伝えてくれていることも多いんです。
今回は、飲食店でよくあるクレーム対応の基本と、二次被害を防ぐための5つの鉄則をお伝えします。現場で培った経験をもとに、具体的な対応方法をご紹介します。

飲食店で多いクレーム内容と初期対応の重要性
飲食店で多いクレームといえば、「異物混入」「接客態度」「提供時間の遅れ」「料理の味」などが挙げられます。これらは日本労働組合総連合会の調査でも上位に入っています。
特に異物混入や衛生管理の不備は、店舗の信用を大きく左右する要因です。具体的な事例や予防策については、以下の記事で詳しく解説しています。
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👉異物混入が起きたとき、「飲食店経営の終わり」ではなく「始まり」
👉衛生管理を簡略化すると売上が上がる?飲食店の新常識
でも、クレームが大きな問題に発展するかどうかは、初期対応で決まるんです。
私が現場で働いていた時のこと。お客様のスープに髪の毛が入っていたと指摘を受けました。すぐに謝罪して新しいものをお出しし、会計時にも責任者の岡本から改めてお詫びしたところ、「迅速な対応ありがとう」と逆に感謝されたんです。

一方で、クレームへの対応が遅れたり、スタッフの態度が悪かったりすると、最初のクレームよりも「対応の悪さ」に対する「二次クレーム」が発生します。これが本当に厄介なんです。
お客様が激怒してしまうケースの多くは、この二次クレームが原因。最初のクレーム内容よりも、その後の対応の方が重要なんですよね。
飲食店のクレーム対応5つの鉄則
1. まずは不快な思いをさせたことに対して謝罪する
クレームをいただいたら、まず「不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と謝罪することが大切です。この時、平謝りするのではなく、お客様の不快感に対して限定的に謝罪(部分謝罪)しましょう。ただ平謝りすると、「この人本当に私の指摘を理解しているのかな」「ただ謝れば良いと思っていないかな」とおもわれてしまいます。
例えば、コーヒーをこぼしてしまった時は「すぐにお取替えします」だけでなく、「やけどはございませんか?」「お洋服は大丈夫ですか?」とお客様の心情に寄り添った対応が必要です。
2. お客様の話をしっかりと聞く
お客様の話を途中で遮らず、最後まで聞きましょう。この「傾聴」のプロセスが非常に重要です。

私が現場で経験したことですが、ある日、長年通ってくださっている常連のお客様が、お会計の際に私をそっと呼び止めました。
「岡本さん、今日のあの入ったばかりの新人さん、少し笑顔がなくて残念だったな」。
私はすぐに「大変申し訳ございません。私の指導の足りなさです。指導しておきます。」と深く頭を下げました。すると、お客様は穏やかに首を振り、こうおっしゃってくださったのです。
「いや、怒っているんじゃないんだ。本当にこの店が好きで、応援しているからこそ、あえて言わせてもらったんだよ。きっと、もっと良い接客ができる子だと思うからね」と。
そのお客様からの温かい言葉に、私はハッとさせられました。クレームは単なる「ご指摘」ではなく、お店への「期待」の裏返しなのだと。そして、お客様のお話の背景にある想いまで真摯に聞くことの大切さを、改めて痛感した瞬間でした。
3. 理不尽なクレームでも反論しない
「でも」「だって」「ですから」といった言葉は、お客様からすると言い訳に聞こえます。これらの言葉を使った瞬間、お客様の不快感が増幅するんです。
たとえお客様の言い分に納得できなくても、まずは受け止めることが大切です。
また、重要なのは「オウム返し」です。お客様が「〇〇なんだ!」と言われたことには「〇〇ということでございますね」とオウムのようにそのまま言葉を返します。これはお客様の溜飲を下げるのに非常に効果的です。
4. 迅速に解決策を提示・対応する
クレーム内容を理解したら、すぐに解決策を提示しましょう。「しばらくお待ちください」などのあいまいな表現は避け、「5分ほどお時間ください」など具体的な時間を伝えることが重要です。
5. 再度謝罪し、意見に対する感謝を伝える
最後に改めて謝罪し、貴重なご意見をいただいたことへの感謝を伝えましょう。この一連の流れを守ることで、多くのクレームは穏便に解決できます。
💬クレーム対応では「言葉選び」が結果を左右します。
お客様の不満を鎮めるには、気持ちに寄り添った表現や提案が欠かせません。
飲食店に限らず二次クレームが発生する原因と防止策
二次クレームとは、最初のクレーム対応がうまくいかず、さらにお客様の怒りを買ってしまうことです。これが発生する主な原因を見ていきましょう。
- 一つ目は「お客様の心情に寄り沿った対応をしていない」こと。例えば、料理が遅れた時に「混雑しているので」と店側の事情を説明するのではなく、「お待たせして申し訳ございません」と謝罪することが先決です。
- 二つ目は「言い訳をしてしまう」こと。「でも」「だって」「ですから」という言葉は、お客様には言い訳に聞こえます。
- 三つ目は「あいまいな表現で対応してしまう」こと。「すぐに」「しばらく」という言葉は人によって受け取り方が違います。具体的な時間を伝えましょう。
- 四つ目は「お客様との約束を守らない」こと。「5分でご用意します」と言ったら、必ずその時間内に対応することが重要です。
- 五つ目は「クレームの初期対応者が責任逃れをしてしまう」こと。「私には権限がないので」という対応はNGです。
スタッフ間で情報共有ができていないと、同じお客様に何度も同じ説明を求めることになり、不快感を与えます。
まとめ:クレーム対応は店の評判を左右する重要なスキル
飲食店でのクレーム対応は、初動で決まります。お客様の話をしっかり聞き、心情に寄り添った対応をすることが何より大切です。
25年間の飲食業界経験から言えるのは、クレームを「店を良くするチャンス」と捉える姿勢が重要だということ。適切な対応ができれば、むしろお客様との信頼関係が深まり、リピーターになってくれることも多いんです。
「楽しくなければ飲食店じゃない」というのが私のモットー。お客様にとっても、スタッフにとっても居心地の良い店づくりのために、クレーム対応力を高めていきましょう。
飲食店経営でお悩みの方は、飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
