こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です。
飲食店経営をされている皆さん、「食品衛生責任者」という資格をご存知ですか?
実は、この資格は飲食店を営業する上で必ず必要となる、いわば経営の土台となる重要な存在なんです。25年間現場での経験からも、この資格の重要性は日に日に高まっていると感じています。
食品衛生責任者とは、簡単に言えば「お店の食品衛生を管理する責任者」のこと。食品衛生法では、飲食店などの食品関係営業者は食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。
この資格がないと、そもそも飲食店の営業許可が下りないんです。
飲食店における食品衛生責任者の役割と重要性
食品衛生責任者の最大の役割は、お店の衛生管理の責任者として、食中毒などの事故を未然に防ぐこと。要は、お客様に安全な食事を提供するための「最後の砦」なんです。
僕も現場にいたから分かります。毎日の忙しさに追われていると、ついつい衛生管理がおろそかになりがち。でも、たった一度の食中毒事故で、長年かけて築いた信頼が一瞬で崩れ去ることもあるんです。
食品衛生責任者は単なる「資格保持者」ではなく、お店の衛生管理の中心として、スタッフへの指導や日々の衛生チェック、最新の衛生知識の習得など、幅広い役割を担っています。特に昨今は、HACCPに沿った衛生管理が義務化され、その重要性はさらに高まっているんですよ。
一言でいうと、食品衛生責任者はお店の「安全」と「信頼」を守る要なんです。
食の安全は妥協できない。それがお客様との約束であり、飲食店の生命線。
食品衛生責任者になるための方法と手続き
食品衛生責任者になるには、主に2つの方法があります。

1つ目は、調理師や栄養士、製菓衛生師などの資格をすでに持っている場合、これらの資格を持っていれば、自動的に食品衛生責任者になる資格を持っていることになります。
2つ目は、各都道府県知事が認める「食品衛生責任者養成講習会」を受講する方法です。この講習会は各地域の食品衛生協会が実施していて、通常は1日で完了します。料金は地域によって異なりますが、だいたい1万円前後。講習を受けて、最後に行われる確認テストに合格すれば、その場で修了証が発行されます。
この資格がないと営業許可申請ができないので、必ず開業前に取得しておきましょう。
講習会の内容と準備するもの
講習会では、食品衛生に関する法律や食中毒の予防、施設の衛生管理などについて学びます。講習時間は約6時間程度。朝から夕方まで、勉強することになります。
僕も現場にいたから分かります。「面倒くさい」と思う気持ちもあるでしょう。でも、この講習で学ぶ内容は、実際の店舗運営で本当に役立つ知識ばかりなんです。
講習会に持参するものは、筆記用具、身分証明書、受講料などです。事前に申込みが必要なので、お住まいの地域の食品衛生協会に問い合わせてみてください。
食品衛生責任者の実務講習会とは
資格を取得したら終わり…ではないんです。食品衛生法施行規則では、食品衛生責任者は「都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会(実務講習会)を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること」と定められています。
要は、一度資格を取っただけでは不十分で、定期的に最新の知識をアップデートする必要があるんです。これが「食品衛生責任者実務講習会」です。

「一度取った資格なのに、なぜまた講習を受ける必要があるの?」と思われるかもしれません。
でも考えてみてください。食品衛生の世界は日々進化しています。新たな食中毒菌の発見や、衛生管理の新しい手法、法律の改正など、常に最新の知識を持っていることが、お客様の安全を守るためには不可欠なんです。
実務講習会の受講タイミングと方法
実務講習会は、営業許可の有効期間内に1回以上(概ね6~7年ごとに)受講することが推奨されています。最近では、従来の会場での講習に加えて、eラーニング形式での受講も可能になっている地域が増えてきました。
例えば札幌市では、インターネット上のe-ラーニングで日時を限定せず好きなときに受講することができます。受講料は地域によって異なりますが、3,000円前後が一般的です。 |
僕も現場にいたから分かります。日々の業務に追われていると、こういった講習の受講をつい後回しにしがちです。でも、最新の衛生知識を持っているかどうかで、いざというときの対応力が大きく変わってきます。
食品衛生責任者として飲食店で実践すべき日常業務
資格を取得したら、次は実際の現場での実践です。食品衛生責任者として、日常的にどんなことに気をつければいいのでしょうか?
一言でいうと、「見える化」と「習慣化」が鍵となります。具体的には、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 食材の受け入れ時の温度チェックと記録
- 冷蔵庫・冷凍庫の温度管理と記録
- 調理器具の洗浄・消毒の徹底
- スタッフの健康状態の確認と記録
- 手洗いの徹底と指導
- 食品の適切な保存方法の実践
- HACCPに基づく衛生管理の実施
特に重要なのが「記録」です。「やった」ではなく「やったことを記録する」習慣をつけることで、問題が発生したときの原因究明や改善につながります。
食品衛生責任者の役割は、自分だけが正しい知識を持っていればいいわけではありません。その知識をスタッフ全員に広め、お店全体の衛生レベルを底上げすることが大切なんです。
衛生チェック体制の強化は、異物混入などの重大事故の予防にも直結します。実際に現場で起きやすい異物混入のリスクとその対策については、「異物混入が起きたとき、「飲食店経営の終わり」ではなく「始まり」の記事でも詳しく解説しています。
HACCPに沿った衛生管理の実践
2021年6月から、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられています。HACCPとは、簡単に言えば「危害分析重要管理点」のこと。食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある危害を分析し、その発生を防止するための重要管理点を定めて管理する衛生管理の手法です。
小規模な飲食店では、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の実施が求められています。具体的には、業界団体が作成した手引書などを参考に、自店舗の衛生管理計画を作成し、実行・記録・確認のサイクルを回していくことになります。
多くの経営者がここでつまずくんです。「難しそう」「面倒くさそう」と思って先延ばしにしてしまうんですよね。でも、基本的には今までやってきた衛生管理を「見える化」するだけなんです。
HACCPの考え方や衛生管理の実践方法について、もう少し深く知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。実際の店舗でどのように取り入れるかを詳しく解説しています。
関連記事:衛生管理を簡略化すると売上が上がる?飲食店の新常識
食品衛生責任者の資格で飲食店経営を強化する方法
食品衛生責任者の資格は、単なる「営業に必要な資格」ではなく、お店の価値を高める強力なツールになり得ます。どのように活用すれば、経営強化につながるのでしょうか?
まず、この資格で得た知識を徹底的に店舗運営に反映させることです。例えば、食材の適切な保存方法を実践することで、食材ロスの削減につながります。これは直接的なコスト削減効果をもたらします。
次に、衛生管理の徹底をお客様にアピールすることです。特にコロナ禍以降、お客様の衛生意識は格段に高まっています。「当店は食品衛生責任者の資格を持ったスタッフが、衛生管理を徹底しています」と伝えることで、安心感を提供し、お店の信頼度アップにつながるんです。
衛生管理を徹底することは、お客様の信頼獲得だけでなく、売上アップにもつながります。安心感のあるお店づくりと同時に、売上を伸ばすための具体的な工夫は、「飲食店の売上アップにつながる20の実践アイデア」でも紹介しています。
食品衛生責任者の知識は、スタッフ教育にも大いに役立ちます。衛生管理の基本をしっかりと教育することで、スタッフの意識が変わり、お店全体のレベルアップにつながるんです。
衛生管理の徹底は、コストではなく投資。その見返りは、お客様からの信頼という形で必ず返ってくる。
あなたは食品衛生責任者の資格を、どのように経営に活かしていますか?
まとめ:食品衛生責任者は飲食店経営の要
ここまで、食品衛生責任者について詳しく見てきました。改めて整理すると、食品衛生責任者は飲食店経営において以下の点で非常に重要な存在です。
- 飲食店営業に必須の法定資格である
- お店の食品衛生管理の責任者として、食中毒などの事故防止に貢献する
- 定期的な実務講習会で最新の衛生知識を習得することが求められている
- HACCPに沿った衛生管理の実践が義務付けられている
- 適切に活用することで、経営強化につながる
僕も現場にいたから分かります。日々の忙しさに追われていると、ついつい「とりあえず資格を持っている人がいればOK」という考えになりがちです。でも、この資格の本当の価値は、その知識をどれだけ現場で活かせるかにあるんです。
食品衛生責任者は、単なる「看板」ではなく、お店の「安全」と「信頼」を守る要。この資格の知識を最大限に活用して、お客様に安心して楽しんでいただける飲食店づくりを目指しましょう。
食の安全は妥協できない。それがお客様との約束であり、飲食店の生命線です。あなたの店の未来を、応援しています!
もし食品衛生管理についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
