こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です。
飲食店経営をやっていて、一番怖いのは異物混入だと思ってる方、多いと思います。
髪の毛が入った、虫が入った、プラスチックの破片が入った——そんなご指摘が入った瞬間、頭が真っ白になって「お店の評判が落ちる」「SNSで拡散される」「もう終わりだ」って思いますよね。

でも、少し考え方を変えてみてください。
実は異物混入は、お店の信頼を「壊す」んじゃなくて「築く」チャンスなんです!
どういうことかっていうと、お客様は異物が入ったことよりも、その後のお店の対応で判断されます。
異物混入はなぜ飲食店の大問題になるのか
まず、異物混入がどれだけ深刻な問題か。
異物混入は単にお客様に不快な思いをさせるだけじゃなくて、最悪の場合は健康被害につながることもあります。金属片やプラスチックの破片なんかだと、口の中や喉を怪我させたり、歯が欠けたりする可能性もあります。
さらに、虫や害獣が混入すると、病原菌や、ウイルスを含んでいることもあって、食中毒の原因になることもあります。
そして、一番のダメージは目に見えないところにあります。
異物混入が起きると、お客様の「このお店は衛生管理ができていないんじゃないか」「他にも問題があるんじゃないか」という不信感につながる。さらに、SNSで拡散されたり、口コミサイトに書かれたりすると、一気に評判が落ちて、売上にも響いてきます。
2025年3月に起きた某チェーンの味噌汁への害獣混入事件は、SNSで大炎上して、結局全国にお店を一時閉店する事態になりました。
異物混入が起きる主な原因と予防策
では、なんで異物混入は起きるのでしょうか。
食品工場でも飲食店でも、主な原因は3つに分けられます。

1.従業員による異物混入
一番多いのは、実は人為的なミスです。
例えば、身だしなみや持ち込み品のルールを守らないと、毛髪やアクセサリー、ボタンやペンなんかが料理に混入することがあります。また、包丁の欠けた刃や、機器から脱落したボルト、清掃ブラシから抜け落ちた毛なども原因になります。
予防策としては、まず従業員教育が大事。
そして、衛生帽子や手袋の正しい着用方法、アクセサリー類の禁止、清掃用具の定期的な交換などをルール化して、徹底することが必要です。
害虫・害獣による異物混入
次に多いのが、ゴキブリやハエなどの害虫や、ネズミなどの害獣が原因の混入。
天井や床面、壁面に破損があったり、窓や扉が開放されていたりすると、害虫や害獣が侵入してきます。さらに整理・整頓が不十分だと、隠れる場所ができて、そこが住みかになってしまう。
予防策としては、定期的な害虫駆除と、侵入経路の封鎖が基本。あとは、厨房内の整理整頓と清掃の徹底も欠かせません。
施設や設備による異物混入
最後に、施設や設備の劣化による異物混入もあります。
古くなった調理器具からの金属片や、天井の塗装の剥がれ、照明カバーの破片なんかが落ちてくることもあります。
予防策としては、定期的な設備点検と、古くなった器具の交換が重要です。
異物混入が起きた時の対応フロー
さて、ここからが本題です。
異物混入が起きた時は、どのように対応するかで、お店の評判が大きく変わってきます。
初動対応:最初の3分が勝負
まず、異物混入の連絡を受けたら、すぐに謝罪することが第一歩。「不快な思いをさせて申し訳ありません」と謝罪します。
そして、お客様の話をよく聞くこと。
どんな異物が、どの料理に、どのように入っていたのか、具体的に聞き取りをしましょう。
次に、問題の料理を新しく作り直すか、別のメニューに変更するか、代金を返金するかなど、お客様の希望に沿った対応をしましょう。

原因究明:再発防止のカギ
初動対応が終わったら、すぐに原因究明に取り掛かります。
異物の種類や特徴から、どこで混入した可能性があるのかを調査する。調理工程の確認、使用した食材や調味料のチェック、調理器具の点検なんかを行います。
原因が特定できたら、すぐに対策を講じること。
例えば、調理器具の破損が原因なら、新しいものに交換する。
従業員の不注意が原因なら、再教育を行う。
害虫が原因なら、駆除と侵入経路の封鎖を行うといった具合です。
どうしても原因が特定できない場合でも、可能性のあるすべての要因に対してすべて対策を講じることが重要です。
異物混入を信頼構築のチャンスに変える方法
私が一番重要に思うこと。
それは異物混入は、お店の評判を落とす「危機」ですが、誠実な対応すれば信頼を高める「機会」にもなる
透明性の確保:隠さない、ごまかさない
まず大事なのは、透明性を持って対応すること。
異物混入が起きたことを隠したり、ごまかしたりすると、後で発覚した時に「隠蔽した」と受け取られて、さらに信頼を失うことになります。
異物混入が起きたら、事実を正直に認めて、原因と対策を明確に説明することが大切です。
お客様は完璧なお店を求めているのではなく、問題が起きた時に誠実に対応してくれるお店を求めています。
誠意ある対応:言葉だけじゃなく行動で示す
次に、誠意ある対応を心がけること。
謝罪の言葉だけじゃなくて、具体的な行動で誠意を示すことが大切。例えば、問題の料理の代金を返金するだけでなく、店長自らが謝罪に伺うなど、一歩踏み込んだ対応が信頼回復につながります。
現場にいた時、お客様のスーツにソースをこぼしてしまったことがあり、クリーニングしたスーツをお客様のご自宅までお届けし、謝罪をしたところ、そのお客様はリピーターになってくれました。
再発防止策の共有:学びを示す
最後に、再発防止策をお客様と共有すること。
異物混入から何を学び、どんな対策を講じたのかを伝えることで、「この店は真剣に改善しようとしている」という印象を与えることができます。
例えば、「今回の件を受けて、全スタッフに衛生管理の再教育を行いました」「調理器具の点検頻度を増やしました」といった具体的な改善策を伝えると、お客様も安心します。
「この店は問題があっても誠実に対応してくれる」という評価につながって、かえって信頼が高まることもあります。
異物混入対策をあなたの経営する飲食店に組み込む方法
異物混入は、起きてから対応するだけじゃなくて、日頃から予防する文化を作ることが大切です。
定期的な研修とチェックリスト
まず、全スタッフに対して定期的な衛生管理研修を行うこと。
「なぜ異物混入が問題なのか」「どうすれば防げるのか」を理解してもらうことが大切です。従業員には入店時にしっかり教育することが必要です。
また、日々の業務の中に、異物混入防止のためのチェックリストを組み込むことも必要です。例えば、調理前の手洗い・身だしなみチェック、調理器具の点検、食材の検品を、毎回確認する習慣にします。

まとめ:異物混入は「終わり」ではなく「始まり」
異物混入は飲食店にとって、とても大きな問題です。しかし「終わり」ではなくて「始まり」だと思います。
お客様は、問題が起きた時に誠実に対応してくれるお店を信頼してくださります。異物混入が起きたら、それを信頼構築のチャンスだと捉えて、透明性を持って誠実に対応することが大切です。
日頃からの予防策も忘れずに。定期的な研修やチェックリストで異物混入のリスクを減らすことができます。異物混入は、その信頼関係を試される瞬間。うまく対応すれば、かえって信頼が深まるチャンスにもなる。
飲食の現場で25年、いろんな問題を乗り越えてきましたが、大事なのは「お客様に対する誠実さ」です。
飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
