こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です。今日は多くの飲食店オーナーが直面している「運営の壁」について、私の経験を交えながらお話ししていきます。
飲食業界は厳しい世界です。一般的に、開業してから5年以内に5割、3年以内に7割の店舗が閉店するといわれています。さらに驚くべきことに、10年経つと廃業率は90%にまで及ぶという現実があるのです。この数字を見ただけでも、どれほど厳しい業界かがよくわかりますよね。
私が飲食業界でアルバイトから始まり、大型店舗の総支配人まで経験してきた中で痛感したのは、飲食店の運営には「見えない業務」が山ほどあるということ。表舞台の料理提供やサービスだけでなく、裏方の仕込みや発注、スタッフ管理、マーケティング、経理処理など、実に多岐にわたる業務をこなさなければならないのです。
では、なぜこれほど飲食店の運営は難しいのでしょうか?
飲食店運営が大変な理由
飲食店経営の難しさには、いくつかの明確な理由があります。
まず挙げられるのが「ライバルの多さ」です。日本には約70万軒以上の飲食店があり、参入障壁が低いことから新規参入も絶えません。
さらに近年では、ファミレスやコンビニでもクオリティの高い食事が楽しめるようになりました。飲食店だけでなく、これらの強力なライバルとも競争しなければならない時代なのです。
私が京都の店長時代、周辺には100軒以上の競合店がひしめき合い、どうやってお客様に選んでもらうかに頭を悩ませた日々が思い出されます。
また、「長時間労働」も大きな課題です。飲食店は圧倒的に業務数が多く、営業時間外でも仕込みや片付け、翌日の準備などの作業が必須です。必然的に労働時間が長くなり、オーナーの多くは休む暇もないほど働いています。
「人材確保の難しさ」も見逃せません。「拘束時間が長い」「体力的にきつい」といった理由から、特に都市部では人材の確保が年々難しくなっています。人手不足は提供できるサービスの質や量に直結するため、経営の大きな足かせとなっているのです。
日々の運営課題は、オペレーションの効率化によって大きく改善できます。具体的な改善のヒントは、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:マニュアル不要?飲食店オペレーションの新常識とは?
あなたも、こんな悩みを抱えていませんか?
飲食店運営代行サービスとは何か
ここまで飲食店経営の厳しさについてお話ししてきました。では、どうすればこの状況を打開できるのでしょうか?その解決策の一つが「飲食店の運営代行」です。
飲食店の運営代行とは、店舗運営の一部または全部を専門の会社に任せるサービスです。単なる業務委託とは異なり、飲食店経営のプロフェッショナルが、オーナーに代わって様々な業務を担当します。
「問題は分かっているけれど、解決する時間がない…」
実は多くの飲食店オーナーがこのジレンマに陥っています。運営代行サービスは、まさにこの悩みに応えるために生まれました。「代わりに誰かがやってくれたら…」という願いを現実にするサービスなのです。
運営代行サービスの種類
飲食店の運営代行には、様々な種類があります。主なものとしては以下のようなサービスが挙げられます。
飲食店の運営代行サービスのメリット
飲食店の運営代行サービスを活用することで、オーナーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、実際の事例も交えながら具体的に見ていきましょう。
外部の専門知識とノウハウを活用できる
運営代行会社には、飲食業界での豊富な経験と専門知識を持つプロフェッショナルが在籍しています。彼らのノウハウを活用することで、一から学ぶ必要なく、効率的な店舗運営が可能になります。
私が新宿で7つの異なる業態が入る大型店舗の責任者を務めていた時、各業態のスペシャリストがいなければ到底回せませんでした。専門知識は飲食店運営の要なのです。
時間と労力を節約できる
運営代行サービスを利用することで、オーナーは煩雑な業務から解放され、本来注力すべき分野に集中できます。例えば、料理人であれば調理技術の向上や新メニュー開発に、接客が得意なオーナーであればお客様とのコミュニケーションに時間を使えるようになります。
あるラーメン店のオーナーシェフは、SNS運用を代行サービスに任せたことで、新作ラーメンの開発に集中できるようになりました。その結果、半年で3つの人気メニューが生まれ、売上が30%アップしたのです。
コスト削減効果が見込める
一見、運営代行にはコストがかかるように思えますが、長期的に見れば人件費や教育コストの削減につながることが多いです。特に、専門性の高い業務を内製化するよりも、プロに任せた方が効率的かつ効果的な場合が少なくありません。
例えば、Googleビジネスプロフィールの運用代行サービスを利用することで、専門知識がなくても効果的な集客が可能になります。MEO対策やクチコミ対応を含む集客支援・運用代行サービスを提供しており、これらを活用することで集客力を高めることができます。
最新トレンドへの対応ができる
飲食業界のトレンドは日々変化しています。運営代行会社は常に最新情報をキャッチアップしており、その知見を店舗運営に活かすことができます。
失敗しないための飲食店運営代行サービスの選び方
運営代行サービスを利用する際、どのように選べばよいのでしょうか。失敗しないための選び方のポイントを解説します。
まず自店の課題を明確にしておく
まずは自分の店舗が抱える課題を明確にしましょう。
「人材育成に課題がある」
「SNS運用に時間を割けない」
「バックオフィス業務に追われている」など、具体的な課題を洗い出すことが大切です。
代行会社の実績と専門性を確認しておく
運営代行会社の実績と専門性は必ずチェックしましょう。特に自店と似た業態での支援実績があるかどうかは重要なポイントです。また、担当者の飲食業界での経験も確認しておくと安心です。
答えは常に「現場」にあります。机上の空論ではなく、実際の飲食店経営経験がある代行会社を選ぶことで、現実的な解決策を得ることができるでしょう。
コミュニケーション体制を確認する
運営代行会社とのコミュニケーション体制も重要です。定期的な報告会議があるか、緊急時の連絡体制はどうなっているか、担当者の変更があった場合の引継ぎ体制はどうなっているかなど、事前に確認しておきましょう。
コミュニケーションが円滑でないと、せっかくの代行サービスも効果半減です。私の経験上、最低でも月1回の対面ミーティングがある会社を選ぶことをお勧めします。
費用対効果を検討する
運営代行サービスの費用は、サービス内容によって大きく異なります。例えば、SNS運用代行であれば月額2〜10万円程度、総合的な店舗運営代行となると月額20万円以上かかることもあります。
重要なのは単純な金額ではなく、費用対効果です。その費用を支払うことで、どれだけの効果が期待できるのか、また自分で行う場合と比べてどれだけの時間と労力が節約できるのかを考慮して判断しましょう。
運営代行の成果を測るためにも、売上や利益の数値管理は欠かせません。基本から知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:【飲食店経営者向け】売上管理の基本と分析手法を徹底解説
あなたの店舗にとって、どの業務を代行することが最も効果的でしょうか?
運営代行サービスの活用事例
ここでは、実際に運営代行サービスを活用して成功した飲食店の事例をご紹介します。
SNS運用代行による集客アップ
東京都内のカフェでは、インスタグラム運用を代行サービスに委託したことで、半年間で来店客数が1.5倍に増加しました。専門家によるハイクオリティな写真撮影と投稿内容の最適化、さらにハッシュタグ戦略の見直しが功を奏したのです。
SNSの運用は一見簡単そうに見えて、実は専門的なノウハウが必要です。「インスタ映え」という言葉が流行したように、若い世代を中心に多くの人がSNSから飲食店情報を得ています。2023年1月時点での国内インスタグラムユーザー数は約4570万人にも上り、この巨大なプラットフォームを活用しない手はありません。
デリバリーキッチン運営代行による新規事業展開
大阪の老舗和食店では、コロナ禍を機にデリバリー事業に参入。しかし、配送管理や専用メニュー開発に苦戦していました。そこでデリバリーキッチン運営代行サービスを利用したところ、本業に影響を与えることなく新規事業を軌道に乗せることができました。
2020年のコロナ禍以降、デリバリー需要は急増しています。しかし、既存店舗でデリバリー対応を始めるのは想像以上に大変です。デリバリー専門の複数の入居店舗でシェアするゴーストセントラルキッチンのようなサービスを活用すれば、初期費用30万円と月々20万円程度から始められるケースもあります。
飲食店の運営代行サービス利用時の注意点
運営代行サービスには多くのメリットがありますが、利用する際には注意すべき点もあります。ここでは、失敗しないための注意点をご紹介します。
自店のコンセプトや価値観の共有
運営代行会社に任せっきりにするのではなく、自店のコンセプトや大切にしている価値観をしっかりと共有することが重要です。特に接客や料理に関わる部分は、店舗の「顔」となる部分。自店の個性が失われないよう、定期的なすり合わせが必要です。
私が大切にしている「楽しくなければ飲食店じゃない!」という信条。これは代行会社にも必ず伝えるべき価値観です。お客様もスタッフも楽しくなければ、長続きする店にはなりません。
丸投げせず、適切な関与を続ける
運営代行に任せたからといって、完全に手放してしまうのは危険です。定期的な報告を受け、必要に応じて方針の修正や意見交換を行いましょう。最終的な責任はオーナーにあることを忘れないでください。
私が経験した失敗例として、あるオーナーがSNS運用を完全に代行会社に任せきりにした結果、店舗の実態とSNSの発信内容にギャップが生じ、お客様の期待と現実のミスマッチが発生してしまったケースがあります。代行はあくまでも「伴走型」であるべきです。
契約内容の明確化
サービス内容、費用、期間、解約条件など、契約内容は必ず書面で明確にしておきましょう。特に成果報酬型の場合は、どのような指標で成果を測るのか、具体的な数値目標は何かを事前に合意しておくことが重要です。
「どんぶり勘定」は経営の大敵です。代行サービスとの契約においても、数字で管理する習慣をつけましょう。FLコストや人時生産性などの指標を活用し、代行サービス導入前後での変化を定量的に測定することをお勧めします。
自社スタッフとの関係構築
運営代行サービスを導入する際は、既存スタッフへの説明も忘れないようにしましょう。「自分たちの仕事が奪われる」という不安を抱かせないよう、代行サービス導入の目的や期待される効果を共有し、協力体制を築くことが大切です。
三方良しの精神で、お客様、従業員、そしてお店(経営者)の三者が皆幸せになれるバランスを追求しましょう。
まとめ:飲食店運営代行の上手な活用法
飲食店の運営代行サービスは、経営者の強い味方になります。しかし、ただ任せるだけでは十分な効果は得られません。ここまでの内容を踏まえ、運営代行サービスを最大限に活用するためのポイントをまとめます。
飲食店経営は決して楽な道ではありません。しかし、適切なパートナーと共に歩むことで、その道のりはより確かなものになります。運営代行サービスは、そんなパートナーの一つとして、あなたの店舗の成長を支えてくれるでしょう。
現場起点の課題解決、数値管理と利益改善、人材育成とチームビルディング、持続可能な繁盛店づくり。これらは私が25年の飲食業界キャリアの中で大切にしてきたことです。運営代行サービスを活用する際も、これらの視点を忘れずに選択していただければと思います。
一緒に、強くて愛されるお店を作っていきましょう!あなたの店の未来を、応援しています。
より詳しい情報や個別のご相談は、ぜひ飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
