こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です!
「もっと宣伝しないとお客様が来ない」
「SNSの投稿頻度を上げれば売上が上がるはず」
こんな悩みを抱えている飲食店オーナーさんは多いのではないでしょうか。私も現場にいた頃は同じ悩みを抱えていました。しかし、長年の経験から言えることは、宣伝は「量より質」なんです。
実は、お客様の購買行動は大きく変化しています。スマートフォンの普及により、「近くのカフェ」「駅前の美容室」など位置情報を基にした検索が当たり前になりました。こうした変化の中で、単に宣伝の頻度を上げるだけでは、もはや効果が薄いのです。
では、なぜ実店舗の宣伝において「頻度より質」が重要なのでしょうか?
お店の宣伝方法は「頻度より質」が重要な理由
一言でいうと、お客様の情報処理能力には限界があるからです。毎日大量の情報に触れている現代人は、価値のない情報を自動的に無視するようになっています。
特に飲食業界では、「美味しそう」と思わせる質の高い写真1枚の方が、何十回もの平凡な投稿よりも効果的です。私もSNSの投稿頻度を下げて1つ1つの質を高めたところ、むしろ来店数が増えたという経験があります。
お客様の情報処理方法が変わったから
近年では、お客様はオンラインとオフラインを意識せずに行き来しています。この現象はOMO(Online Merges with Offline)と呼ばれ、特に小売業界で注目されています。
OMOとは、オンラインとオフラインの融合によって顧客体験の向上を目指すマーケティング手法です。 |
お客様は店舗かネットかの違いを意識せず、シームレスなサービスを求めています。
これは従来のO2O(Online to Offline)とは異なります。O2Oがオンラインからオフラインへの誘導を目的としているのに対し、OMOはチャネルの区別自体をなくすことを目指しているのです。
質の高い宣伝が持つ3つの力が重要だから
質の高い宣伝には、以下の3つの力があります。
- 差別化の力:同じエリア内の競合が多い場合でも、質の高い宣伝は他店より目立ちます
- 信頼構築の力:質の高い情報発信は、お店の信頼性向上につながります
- 長期的な効果:質の高いコンテンツは長期間にわたって効果を発揮します
とにもかくにも、お客様の心に残る宣伝をするには、頻度よりも質にこだわることが重要なのです。
お店の宣伝方法の質を高める3つのポイント
では、実店舗の宣伝の「質」を高めるには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
私が25年の飲食業界経験から導き出した3つのポイントをご紹介します。これらは、どんな規模の店舗でも明日から実践できるものばかりです。
1. 宣伝の「中身」は、店の「ストーリー」そのものであるべき
質の低い宣伝は、中身のない「安売り」や「新メニュー」の情報だけを一方的に発信します。しかし、お客様の心を本当に動かすのは、価格ではありません。その料理が生まれた背景、店主が持つ食材へのこだわり、この店がこの街に存在する理由といった、その店だけが持つ独自の「ストーリー」です。質の高い宣伝とは、このストーリーを、誠実に、そして情熱を込めて伝える活動に他なりません。
2. 最高の宣伝とは、「ご常連のお客様」がしてくれる口コミである
どんなに美しい広告も、心からの「あのお店、本当に美味しいよ」という、信頼する人からのひと言には敵いません。つまり、宣伝活動の多くは、店の中、お客様がまだ目の前にいるうちから始まっているのです。店内の感動体験こそが、最強の宣伝の源泉となります。質の高い宣伝とは、外部に情報を発信するだけでなく、店内で感動を生み出し、お客様を「歩く広告塔」に変える取り組み全体を指します。
3. 宣伝とは「言葉」ではなく、「体験」を届けること
「百聞は一見にしかず」ということわざの通り、お客様は言葉よりも、実際の体験を信じます。質の低い宣伝は「美味しいですよ」と言葉で繰り返すだけですが、質の高い宣伝は、お客様がその美味しさや楽しさの「カケラ」を、来店前に体験できる機会を作ります。
実店舗宣伝の成功事例2選
ここでは、質の高い宣伝で成功した実店舗の事例をご紹介します。
スターバックスの「サードプレイス」戦略
スターバックスは、店舗を「家でも職場でもない第3の場所(サードプレイス)」と位置づけ、そのコンセプトに沿った顧客体験を提供しています。
インテリアやBGM、スタッフの雰囲気など全てに一貫性があり、落ち着く店内を演出することで顧客体験の質を高めています。コーヒーが美味しい・職場に近いといった機能的な価値だけでなく、「情緒的な価値づくり」に取り組んでいるのがポイントです。
季節ごとのキャンペーンやAR(拡張現実)を使った疑似体験など、先進的な技術も取り入れながら常に顧客体験向上に取り組んでいます。
この事例から学べることは、宣伝と実際の店舗体験の一貫性です。いくら質の高い宣伝をしても、実際の店舗体験がそれに伴わなければ、お客様の期待を裏切ることになります。
ザ・リッツカールトンホテルの「驚き」の提供
ザ・リッツカールトンホテルでは、従業員に1日2,000ドル(約24万円)という高額な決裁権を与え、「お客様のために」と思えば、通常では信じられないサービスも提供できるようにしています。
例えば、あるホテルでは、お客様が忘れた重要書類を新幹線に飛び乗って届けたり、プロポーズしたい男性客のために、プールサイドに特別な空間を用意したりといった事例があります。
こうした「想像を超えるサービス」の事例がSNSなどで拡散され、強力な宣伝効果を生んでいます。頻繁に広告を出すよりも、一度の「驚き」の方が、お客様の心に深く刻まれるのです。
あなたのお店でも、予算の範囲内で「想像を超える体験」を提供できないか、考えてみてください。それが最高の宣伝になります。
デジタルとリアルを融合させた効果的な宣伝方法
現代の実店舗宣伝では、デジタルとリアルを融合させることが非常に重要になってきています。ここでは、その具体的な方法をご紹介します。
Googleビジネスプロフィールの活用
MEO(Map Engine Optimization)対策として、Googleビジネスプロフィールの充実は必須です。特に以下の点に注力しましょう。
私が店舗を運営していた時は、Googleマップでの表示順位を上げるために、写真の質と口コミ返信に特に力を入れました。その結果、「近くの飲食店」で検索した際の上位表示が実現し、初来店のお客様が大幅に増加しました。
頻度より質を重視したお店の宣伝方法|成功させるための3ステップ
ここまで、実店舗の宣伝において「頻度より質」が重要な理由と具体的な方法をご紹介してきました。最後に、これを実践するための具体的なステップをお伝えします。
Step 1: 自店の強みを明確にする
まずは、あなたのお店ならではの強みを明確にしましょう。「何を伝えるか」が定まっていなければ、質の高い宣伝はできません。
私がキャリアをスタートした店舗では、「生ビールへのこだわり」を強みとして明確に打ち出していました。その結果、「美味しい生ビールを飲むならここ」というブランドイメージが定着しました。
あなたのお店の強みは何でしょうか?料理の味?接客?雰囲気?価格?立地?その中から最も際立つものを選び、それを軸に宣伝を組み立てましょう。
Step 2: ターゲット顧客を絞り込む
「誰に伝えるか」も重要です。全ての人に刺さる宣伝は、実は誰にも刺さりません。ターゲットを絞り込むことで、より質の高い、響く宣伝ができます。
私が挑戦した店舗では、「30〜40代の男女飲み会」というターゲットを明確にし、その層に響く言葉や画像で宣伝を組み立てました。すると、狙った層からの支持が高まり、さらに広がっていきました。
あなたのお店のコアなファン層はどんな人たちでしょうか?その人たちに刺さる宣伝を考えることが、質を高める近道です。
Step 3: 計測と改善のサイクルを回す
質の高い宣伝は、試行錯誤の積み重ねで実現します。宣伝の効果を計測し、改善していくサイクルを回しましょう。
具体的には、以下の指標を計測すると良いでしょう。
私が店長時代は、宣伝効果を検証し、効果の低いものは迷わず中止、効果の高いものは強化するというサイクルを回していました。このPDCAサイクルが、宣伝の質を高める基本なのです。
「頻度より質」と言っても、全く発信しないわけではありません。質を保ちながら、持続可能な頻度で発信し続けることが大切です。
まとめ:実店舗宣伝は「質」で勝負する時代
実店舗の宣伝において「頻度より質」が重要な理由をお伝えしてきました。情報過多の現代社会では、量ではなく質で勝負する時代になっています。
質の高い宣伝とは、お客様の心に残り、行動を促すものです。それは必ずしも高額な予算を必要とせず、お店の強みを明確に伝え、ターゲットに響く言葉や画像で表現することで実現できます。
私の25年の飲食業界経験から言えることは、「お客様の立場になって考える」ことが最も重要だということ。「自分がお客様だったら、どんな情報があれば行きたくなるか?」という視点で宣伝を考えれば、おのずと質は高まります。
明日からでも実践できる「質の高い宣伝」で、あなたのお店の魅力を最大限に伝えていきましょう。
一緒に、強くて愛されるお店を作っていきましょう!
飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。

例えば、新しいパスタを宣伝する際に、「今だけ500円!」と値段を叫ぶのではなく、「私が修行時代、師匠に唯一褒められた思い出の味を、故郷の〇〇農園から届くトマトで再現しました」と、一杯のパスタに込められたストーリーを語ります。そのストーリーこそが、お客様がわざわざ足を運ぶ理由になります。