こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です!
「急に予定が変わってしまった」「体調を崩してしまった」など、飲食店の予約をキャンセルしなければならない状況は誰にでも起こりえます。しかし、当日になってからのキャンセル、特に連絡なしの無断キャンセル(ノーショー)は、飲食店にとって想像以上の打撃となります。
実は、飲食店の無断キャンセルによる被害額は年間で推計約2000億円にも上るという調査結果があります。この数字を見ても、いかに深刻な問題であるかがわかるでしょう。
私自身、、当日キャンセル、特に無断キャンセルがもたらす損害の大きさを痛感しています。
では、なぜ当日キャンセルが飲食店にとってそれほど大きな問題なのでしょうか?また、お客様側はどのように対応すべきなのでしょうか?
この記事では、飲食店側の視点から当日キャンセルの問題点と適切な対処法について詳しく解説します。飲食店を利用する私たち消費者が知っておくべき「当たり前のマナー」について、一緒に考えていきましょう。
当日キャンセルが飲食店に与える具体的な損害
飲食店にとって、当日キャンセル、特に無断キャンセルは単なる「予約が取れなかった」という問題ではありません。実際には様々な面で大きな損害が生じています。
まず最も大きいのは、食材の無駄と廃棄による損失です。特にコース料理の予約では、お客様の人数分の食材を前日から準備し、下ごしらえを行っています。当日キャンセルされると、これらの食材は廃棄せざるを得ません。
例えば、ある店舗では、高級食材を使った宴会コースの予約が当日キャンセルになると、一度に10万円以上の損失が出ることもありました。食材費だけでなく、仕入れや下ごしらえにかかった人件費も無駄になってしまうのです。
特に連絡すらない「無断キャンセル」は、当日キャンセル以上に店舗へ大きなダメージを与えます。具体的な被害や対策についてはこちらで詳しく解説しています。
▶ 飲食店経営者必見!無断キャンセルを機会に変える戦略とは?
機会損失という見えない損害
当日キャンセルによる損害は、目に見える食材の廃棄だけではありません。もう一つ大きな問題が「機会損失」です。
予約が入っていた席は、他のお客様に提供できなくなります。特に人気店や繁忙期では、その席を予約したかったお客様が他店に流れてしまうことになります。
さらに、予約に合わせてスタッフのシフトも組んでいます。大人数の予約があれば、その分スタッフを多く配置しますが、キャンセルされればそのスタッフの人件費は無駄になってしまいます。
経済産業省の調査によると、飲食店における無断キャンセルの被害額は年間約2000億円と推計されています。これは、キャンセルによる食材廃棄や機会損失を金額に換算した数字です。
参考元:経済産業省「無断キャンセルが引き起こす負のスパイラル」
この金額の大きさから、無断キャンセルが飲食業界全体にとってどれほど深刻な問題であるかがわかります。
小規模店舗ほど深刻な打撃に
特に小規模な飲食店では、当日キャンセルの影響はより深刻です。大手チェーン店と比べて経営基盤が弱い個人経営の飲食店にとって、大人数の予約の当日キャンセルは、その日の売上を大きく左右します。
10席ほどの小さな和食店では、8名の予約が無断キャンセルされたことで、その日の売上がほぼゼロになってしまったケースもありました。このような状況が続けば、店の存続自体が危ぶまれることもあるのです。
当日キャンセルは、単に一日の売上に影響するだけでなく、長期的には飲食店の経営方針や予約システムにも影響を与えます。無断キャンセルが多い店舗では、予約を受け付けなくなったり、キャンセル料を設定したりといった対策を取らざるを得なくなるのです。
飲食店の予約キャンセルに関する法的側面
飲食店の予約は、法的にはどのように扱われるのでしょうか?実は、飲食店の予約も一種の契約と考えられています。
予約をした時点で、お客様とお店の間で「飲食サービス提供契約」とでもいうべき契約が成立します。そのため、お客様が予約をキャンセルすることは、法的には契約の一方的な解除にあたります。 |
もし、このキャンセルによってお店に損害が生じた場合、法的には損害賠償請求が可能です。これは、コース料理を予約した場合だけでなく、席のみの予約でも同様に考えられます。
キャンセル料の法的根拠
飲食店がキャンセル料を設定する場合、その法的根拠は「損害の補填」にあります。キャンセルによって生じた実際の損害を回収するための手段として、キャンセル料を請求することが認められています。
ただし、キャンセル料の金額は「実際に生じた損害」に見合ったものでなければなりません。不当に高額なキャンセル料を設定することはできません。
例えば、コース料理の予約では、食材費や人件費などの実費に基づいたキャンセル料の設定が一般的です。席のみの予約の場合は、機会損失などを考慮した金額となります。
悪質なケースでは、刑事罰の対象となることもあります。最初からキャンセルするつもりで大量の予約をし、実際にキャンセルした場合、「偽計業務妨害罪」に該当する可能性があります。
キャンセルポリシーの重要性
法的には損害賠償請求が可能とはいえ、実際には飲食店側が損害を回収するのは非常に困難です。そのため、多くの飲食店では「キャンセルポリシー」を明確に設定し、事前にお客様に伝えることが重要となっています。
キャンセルポリシーには、キャンセル可能な期間やキャンセル料の発生条件、金額などを明記します。これにより、お客様側も予約時点でキャンセルに関するルールを理解し、安易なキャンセルを防止する効果があります。
とにもかくにも、キャンセルポリシーを明確に示すことで、キャンセル時のトラブルを未然に防ぐことができるのです。
飲食店の当日キャンセル対策の実例~もしも起きたら~
飲食店では、当日キャンセルや無断キャンセルによる損失を防ぐために、様々な対策を講じています。ここでは、実際に効果を上げている対策をいくつか紹介します。
まず最も一般的なのは、キャンセルポリシーの明確化です。予約時にキャンセルに関するルールを明確に伝えることで、安易なキャンセルを防止します。
私が総支配人を務めていた店舗では、予約確認の際に必ずキャンセルポリシーを説明し、了承いただいた上で予約を確定していました。これにより、無断キャンセル率を約30%減少させることができました。
事前決済システムの導入
最近増えているのが、予約時の事前決済やクレジットカード情報の登録です。特に高級店やコース料理専門店では、予約時に一部または全額の前払いを求めるケースが増えています。
事前決済を導入することで、キャンセルによる損失を確実に回収できるだけでなく、無断キャンセル自体を大幅に減らす効果があります。お金を支払った予約は、お客様側も責任を持って対応する傾向が強くなるからです。
ただし、事前決済の導入には、お客様の心理的ハードルが上がるというデメリットもあります。そのため、全額ではなく一部のデポジット(預かり金)として設定するなど、お客様の負担感を軽減する工夫も必要です。
予約リマインドの活用
予約の前日や当日に、電話やメールでリマインド(確認連絡)を行うことも効果的です。単に予約を思い出してもらうだけでなく、キャンセルの意向がある場合に早めに連絡してもらえる効果もあります。
現在では、自動メール送信システムやLINEなどのSNSを活用したリマインドも増えています。手間をかけずに予約確認ができるため、多くの飲食店で導入されています。
私が知っている成功事例では、予約の24時間前に自動メールでリマインドを送信し、返信がない場合は電話で確認するという二段階の方法を導入した店舗があります。この方法により、無断キャンセル率を5%以下に抑えることに成功しました。
このように、テクノロジーを活用した予約管理システムの導入は、無断キャンセル対策として非常に効果的です。
まとめ:飲食店と消費者の相互理解が大切
飲食店の当日キャンセル、特に無断キャンセルは、店舗に大きな損害をもたらします。食材の廃棄や人件費の無駄、機会損失など、目に見える損失と見えない損失の両方が発生するのです。
法的には、飲食店の予約も一種の契約であり、キャンセルによって生じた損害に対して賠償請求が可能です。しかし、実際には損害回収は難しく、多くの飲食店では明確なキャンセルポリシーの設定や事前決済システムの導入などの対策を講じています。
お客様側も、予約をキャンセルする際はできるだけ早く連絡し、誠実に対応することが大切です。特に前日までの連絡であれば、お店側も対応しやすくなります。
私は25年間、飲食業界の現場で働いてきました。その経験から言えることは、飲食店とお客様の関係は相互理解と信頼が基本だということです。お互いの立場を尊重し、誠実に対応することで、より良い関係を築くことができるでしょう。
当日キャンセルが必要な場合も、できるだけ早く連絡し、誠実に対応することで、お店側の損失を最小限に抑えることができます。それが、飲食業界全体の健全な発展につながるのです。
飲食店経営でお悩みの方、より良いお店づくりを目指している方は、ぜひお気軽にご相談ください。25年の現場経験を活かし、あなたのお店の課題解決をサポートします。
飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
一緒に、強くて愛されるお店を作っていきましょう!
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
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利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
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現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
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私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
