こんにちは!飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー、岡本です。
飲食店を経営していると、避けては通れないのがクレーム対応です。
お客様からの「料理が遅い」「接客が悪い」「髪の毛が入っていた」といった声に、心が折れそうになることもあるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。そのクレームは実は「宝の山」かもしれないんです。
僕は25年間、様々な飲食店で現場経験を積んできました。アルバイトからスタートして、店長、総支配人と経験する中で、クレーム対応の重要性を身をもって学んできたんです。
クレームを活かせるかどうかが店舗の明暗を分けるということ。これは現場で実感したことでした。
クレームを「面倒なもの」「厄介なもの」と捉えるか、
「改善のチャンス」「お客様からの大切なフィードバック」と捉えるかで、
その後の対応も、店舗の成長も大きく変わってくるんです。
今日は、僕の経験から学んだ「クレームを宝に変える方法」をお伝えします。これを実践すれば、クレームに怯えることなく、むしろ積極的に活用して顧客満足度を高められるようになります。

クレームの本質を理解する:なぜお客様は声を上げるのか
まず知っておいていただきたいのは、クレームを言ってくるお客様は実はあなたのお店のことを気にかけてくれている人たちだということです。
グッドマンの法則という考え方があります。
これは「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の再購入率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客に比べて高い」というもの。 |
つまり、クレームを言ってくれるお客様は、まだあなたのお店に期待してくれているんです。
実は、不満を感じても何も言わずに二度と来ないお客様の方が圧倒的に多いんです。
調査によると、不満を感じても苦情を申し立てない人は96%にも上ります。声を上げてくれる4%のお客様は、あなたのお店を良くするためのヒントをくれている貴重な存在なんです。
ある店舗はクレームノートを記入してます。そこには「接客は良いのに料理が来るのが遅い」「味は良いのに盛り付けが雑」といった具体的な声がたくさん。これらを一つ一つ改善していったことが、店舗改革への第一歩だったんです。
お客様が不満を感じる主な理由は何でしょうか?
- 料理の品質や味に関する不満
- 提供時間の遅さ
- スタッフの接客態度
- 店内の清潔さや雰囲気
- 価格と価値のバランス
これらの声は、あなたのお店の「盲点」を教えてくれているんです。
日々の業務に追われていると気づかない問題点を、お客様は鋭く指摘してくれています。

飲食店でクレームが発生したときは初動が肝心
クレームが発生した時、初期対応が非常に重要です。
僕が現場の時に徹底していたのが、この「初動の質」でした。
まず何より大切なのは「謝罪」と「傾聴」です。お客様の話を途中で遮らず、最後まで聞く。そして心からの謝罪を伝える。これだけで、怒りのレベルは半分以下になることも多いんです。
特に気をつけたいのが、言い訳をしないこと。「今日は混んでいて…」「新人スタッフなので…」といった言い訳は、お客様の怒りに油を注ぐだけです。
クレーム対応の黄金ルールをまとめると
特に最後のフォローアップが重要です。解決後に「その後いかがですか?」と声をかけることで、お客様は「自分のことを覚えてくれている」と感じ、満足度が大きく上がります。
💡クレーム対応の初動を間違えると、炎上や常連離れといった“二次被害”に発展することもあります。現場で混乱しないためにも、基本的な対応の考え方や注意点をあらかじめ押さえておきましょう。
関連記事:飲食店クレーム対応の基本と5つの鉄則|二次被害を防ぐには?
飲食店へのクレームを組織の財産に変える仕組み作り
個々のクレーム対応も大切ですが、それを「点」で終わらせず「線」にして組織全体で活かす仕組みが必要です。
クレーム対応は属人的に見えますが、実は「基本」をチーム全体で共有しておくことが、組織的なクレーム削減の第一歩です。
関連記事: 飲食店クレーム対応の基本と5つの鉄則|二次被害を防ぐには?
大切なのは、以下のようなステップです。
1. クレーム情報の一元管理
全てのクレームを記録する専用のノートやデジタルツールを用意します。日付、内容、対応者、解決策、お客様の反応まで詳細に記録する。これを全スタッフがいつでも見られるようにしておくことが重要です。
ある飲食店では、クレームノートをデジタル化して、スタッフ全員がスマホで確認できるようにしました。すると「同じミスの繰り返し」が激減し、3ヶ月でクレーム件数が半減したんです。
2. 定期的な振り返りミーティング
週に一度、15分でもいいので、クレーム内容を全員で共有する時間を作ります。「なぜ起きたのか」「どう防げるか」を前向きに議論することで、スタッフの当事者意識も高まります。
このミーティングを「犯人探し」ではなく「改善点探し」にすること。責める雰囲気ではなく、「次はどうすればいいか」という建設的な場にすることで、スタッフも積極的に参加するようになります。

3. 改善策の実行と検証
話し合いで出た改善策は必ず実行し、その効果を検証します。「あのミーティングで決めたことを実践したら、〇〇のクレームが減ったね」と成功体験を共有することで、スタッフのモチベーションも上がります。
「料理の提供時間が遅い」というクレームが多かったので、厨房と連携するシステムを改善。その結果、提供時間が平均5分短縮され、クレームが激減しました。この成功体験がスタッフの自信につながり、さらなる改善へのモチベーションになったんです。
クレームを宝に変えるには、個人の対応力だけでなく、組織としての仕組みづくりが欠かせません。一人で抱え込まず、チーム全体でクレームから学び、成長していく文化を作りましょう。
クレームに適切に対処することで生まれる顧客ロイヤルティとは?
クレーム対応を適切に行うことで得られる最大の宝は、強固な「顧客ロイヤルティ」です。
調査によると、クレームを申し立てて迅速に解決したケースの再購入率は82%にも上ります。これは驚くべき数字です。適切に対応されたお客様は、むしろ以前より強い信頼関係を築いてくれるんです。
あるお客様が「刺身の鮮度が悪い」とクレームをされました。すぐに新しいものを提供し、料理長が直接謝罪に伺いました。さらに、次回来店時に使える特別コースの割引券をお渡ししたんです。
すると、そのお客様は翌週に友人10人を連れて来店されました。「あんなに誠実に対応してくれる店は珍しい」と言って、その後も常連になってくださったんです。一見マイナスに思えた出来事が、大きなプラスに変わった瞬間でした。
この出来事からクレームって本当に「宝の山」だと感じています。
ただし、全てのクレームに同じように対応すればいいわけではありません。中には「要求型」の悪質なクレームもあります。「誠意を見せてくれれば」などと婉曲に金品を要求するケースですね。
こうした場合は、毅然とした態度で対応することも必要です。店の担当者を変えながら、真摯な態度で3回繰り返し説明や提案をしても不当な要求を止めない場合は、「当店としてはこれ以外のお答えはできません」と文書で回答するなど、明確な線引きも大切です。
クレーム対応の真髄は「誠実さ」と「一貫性」。この二つを軸に対応していけば、多くのお客様はあなたのファンになってくれるはずです。
まとめ:クレームを活かして飲食店の顧客満足度を高めよう
クレームは確かに大変なものですが、見方を変えれば店舗成長の原動力になります。25年間の現場経験から言えるのは、クレームに真摯に向き合える店舗こそが長く愛される店になるということ。
今日お伝えした内容をまとめると
飲食業界は本当に大変な仕事です。でも、お客様の声に真摯に耳を傾け、常に改善を続けていくことで、必ず成長できます。僕自身、閉店寸前の店舗を何度も立て直してきた経験から、それを確信しています。
クレームを恐れず、むしろ「ありがとう」という気持ちで受け止められるようになれば、あなたのお店はきっと変わっていくでしょう。
飲食店経営やクレーム対応でお悩みの方は、ぜひ一度ラインよりご相談ください。25年の経験を活かして、あなたのお店に合った改善策をご提案します。
飲食業界で25年、「美味しい」と「楽しい」を追求し続けてきた飲食店経営伴走型パートナー岡本にevisu公式LINEにてご相談ください。
岡本優
飲食店経営伴走型パートナー
もう、一人で悩まない。
あなたの店の「右腕」になります。
利益改善、集客強化、人材育成、オペレーション改善まで、
経営のあらゆる課題に、オーナー様と同じ目線で
共に答えを見つけ出します。
現場力とマーケティング力を掛け合わせた、
evisuだけが提供できる継続的なパートナーシップです。
飲食店の課題の答えは、すべて現場にあります。
私の仕事は、その答えをオーナー様と共に見つけ出すこと。
飲食業界で25年、お客様の「美味しい」とスタッフの「楽しい」を追求し続けてまいりました。株式会社サッポロライオン「銀座ライオン」にアルバイトにて入社後、ひたすら経営と現場に没頭する中で、新宿店、そして800席を超える銀座本店の総支配人を拝命。
赤字店舗の再建を託される機会も多く、お客様とスタッフ双方の満足度向上を軸としたアプローチで、全ての担当店舗を黒字化へ導いた経験は、私の大きな財産です。
しかし、多くの飲食店が未来に不安を抱えている現状を目の当たりにし、この経験を業界全体のために活かしたいという想いが日に日に強くなりました。そこで2025年、株式会社evisuを設立。25年間現場で培ったリアルなノウハウを、同じ志を持つ経営者の皆様と分かち合い、共に困難を乗り越えるパートナーでありたいと考えております。
「楽しくなければ飲食店ではない」を信念に、皆様のお店が笑顔で溢れる場所になるよう、全力でサポートいたします。
